優しいだけの就労支援は良いのか?就労移行を利用するまに知っておいてください

就労移行を利用し、今は就労移行で支援員をしている身として思うのは、「優しい福祉的な就労移行が本当に良いのか?」ということです。

今回は私が考える就労移行支援について書いていこうと思います。

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大前提:虐待は絶対ダメ

だからといって、厳しいければ良いと考えて虐待をしてはいけないと思います。これは大前提です。自分も虐待されたくないし、虐待したくもありません。

これは絶対です。虐待は誰も幸せにしません。

優しい支援だけでは社会で生きていけない

優しくするのは簡単です。相手を肯定し、ニコニコしているだけで良いからです。ストレスは溜まるかもしれませんが、仕事と割り切り思考停止しておけばできます。

しかしこんな支援をしていても、利用者が継続して働くことができる人にはなりません。

それはなぜでしょうか?

答えは簡単です。「社会は厳しい」からです、人は皆、自分の属する組織・家族や自身の利益のために働いています。そのための競争をしています。それは非常にシビアな競争です。

そのため、企業は役に立たない人にお金を払い続ける余裕はありません。役に立たない人は切り捨てます。そうしないと競争に負けてしまうからです。

社会に出たら自分の存在意義を自分で示していかないといけません。障害者だからそんなことはないと思うかもしれませんが、障害者雇用だって障害者同士で競争があります。就職活動はその良い例です。誰かを押しのけて自分が就きたい仕事に就くのです。

全てを肯定され、甘やかされた利用者は社会に出た途端、この厳しさに順応できずに苦しみます。今まで肯定されていたことは肯定されず、褒めてもらえたことは褒めてもらえません。それはストレスになります。また人によっては、周りの厳しさに恐怖すら覚え、仕事を辞めてしまいます。

そのことを教えず、笑顔でただ優しい言葉で、居心地が良い場所を提供することは本当は残酷なことであるのではないかとすら思います。

持論:就労移行の最後は仕事と同レベルの厳しさが理想

では、「どんな支援が良いのか?」ですが、私の持論はズバリ、「最後は社会の厳しさと同じレベルの厳しい環境を利用者に提供し、その中で生きて行く術を一緒に考え身につけていただける支援」です。

最初は全てを肯定するような優し過ぎる接し方の支援も良いと思います。しかし最後は社会の一般的な厳しさやシビアさがある接し方や課題を提供して、社会とはどんなところかしっかりと知り、そこで生き抜く方法を身につけていくお手伝いが、本当の就労移行だと私は思っています。

なので、私は「優しく支援してもらえない」とか「あの支援員さんは厳しくて嫌だ」という利用者を見ると当事者として違和感を感じます。

「ずっと優しくされているってことは、お前が社会で働けない」と思われているんだぞ!悔しくないのか?」「優しさに甘えているが、お前は働く気があるのか?」と当時者として考えてしまうのです。

支援者は強く言えないことがある

私と同じような想いを持っていても支援者は強く言いません。私自身も支援者としてこの想いを話したことはありません。

それはなぜか?

言い過ぎると負担になる人や虐待だとクレームをいう利用者もいるからです。そして人により段階というものもあるからです。

だから、利用者側がこの意識を持って自分から発信していくことが大切なのだと思っています。そうすれば、支援員は応えてくれるでしょう。

自分のゴールを常に意識し、考え続けて

だからと言って、無闇やたらに厳しい環境に身を置けばよいのかというとそうではありません。自分の心が立ち直れないほど傷ついてしまったら意味がありません。

大切なのは自分のゴール(働く環境)がどれくらい厳しい環境なのか?そのためにはどんな環境でどんなことを今訓練しないといけないのか?どんな支援が必要なのか?を常に意識し考え行動することです。

訓練をしていく中で下方修正や上方修正が必要になるかもしれません。それはそれで仕方ないことです。

ただ、これを意識し考え続けることが大切です。

優しさに甘えずに自分から動いて

失敗しても良いです。不安になっても良いのです。ただ、優しさに甘えず自分のいたい場所がどんな場所か知り、自分で自分の生き方を考えてください。

途中で変えても良いんです。大切なのは考え続けて決めること、行動することです。その過程でどんどん支援者を利用してください。それが大切なのです。

取り止めのない内容でしたが、この記事が少しでも誰かの役に立てば幸いです。