企業はあなたのこだわりに興味はない

発達障害を持っている人の中にはこだわりが強い人がいます。それが良いか悪いかは環境や状況によるので私は良し悪しを論ずるつもりはありません。
しかし、企業で働く上でこの「こだわり」について知っておいた方が良いことがあります。

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ズバリ結論:企業はこだわりに興味はない

見出しの通りで、結論はズバリ企業はあなたのこだわりに興味はありません!

特性に対する配慮はしないといけないので、そういう意味では関心はあるでしょうが、それ以上は関心はないでしょう。

企業が関心があるのは、あなたが求められたものをやってくれるかどうか。そして企業の利益にどれだけ貢献できるかどうかです。それ以外のことはどうでも良いのです。

このことを知らないと会社でうまくいかない

当たり前のことを言っているようですが、これを理解できていない人は会社でうまくいかない傾向にあります。

例えば、求められたものよりも完璧なものを作ったが「そんなの作るくらいなら他にやることがあるだろう」と怒られてしまう。しかし自分は完璧にやったのになぜ怒られなければならないのだと怒りを覚えたというエピソードは良く耳にします。

この人はなぜ怒られたのでしょうか?結論はシンプルです。「相手はあなたに完璧なものを求めていないのです。」〈←太字〉「ただこちらが求める時間でできる最低限のクオリティで良い」もしくは「できる限り早く、最低限のものを出してほしい」が相手の求めるものだからです。

こういう相手に対して「より良いものを出したんだから良いじゃないか!」「もっと評価されるべき」という反論は通用しません。なぜなら相手は「完璧なものを作る時間があるならその時間で多くの仕事をしてほしい」と思っているからです。

立場を変えて考えてみましょう。あなたはサッと食事を済ませたいと思って入ったファストフード店や牛丼屋などで500円払って1時間待てますか?遅いと文句を言いませんか?確かに丁寧な仕事をしたと見て取れるハンバーガーや牛丼が出てきたら許せますか?待てますか?不満は出ませんか?

あなたが安くて良いものを食べたいと思っていたのなら待てるでしょう。しかし、とにかく早く食べたいという場合は、不満が出ると思います。

理由は簡単です。「あなたの求めるものが提供されなかったから」不満が出たのです。

仕事はこれと同じです。会社や上司はあなたにとってはお客様です。〈←太字〉お客様が求めているものを提供しないと評価されません。場合によっては怒られるのです。

企業や上司のニーズに応えるのが職場のルールです

このように大切なのは相手が望むもの、相手のニーズにあったものを提供することです。それが仕事というものです。

そして企業側はこれを求めています。なのであなたのこだわりなんて良くも悪くもどうでも良いのです。トラブルを起こさず、求めるものを提供してほしいのです。障害者雇用や新人に対してはなおさらこの傾向が強いように思います。

「自分のこだわりを曲げられないという人は自分で起業してください」というのが企業の本音でしょう。

障害に理解がある職場や特例子会社でも人が多く集まる組織においてもこの傾向は変わりません。なぜなら全員がこだわりを持ち、その全てを尊重していたらいずれ誰かのこだわりと他の誰かのこだわりが衝突してトラブルになったり仕事が回らなくなるからです。

折れるところは折れましょう

でも特性上曲げられないことがあるという人はいるでしょう。それを全て否定する訳ではありません。大切なのは折れることができるところは折れることです。

それがどこかを探るのが就労移行などの福祉事業所の役目の一つでもあると思っています。

折れるところは折れつつ、曲げられないこだわりが活きる職場で利益に貢献する。そんな職場で働くチャンスを得るために努力する。それが就職活動で本当に大切なことではないのでしょうか。そして、働き出したらそのこだわりで企業の利益、上司の求めるものを提供していきましょう。

無駄なこだわりを捨てて社会人に

何かを得るためには何かを手放さないといけないのが世の常です。

手放すものは手放して、その代わりに本当に大切なこだわりを捨てずに貫き通して組織に貢献する。

これは障害の有無に関係なく評価される社会人の姿ではないでしょうか。

この記事の読者さんも私と一緒にこんな社会人を目指していきませんか?

今回の記事が少しでも誰かの役に立てば幸いです。