反芻思考(嫌な記憶の繰り返し)は性質を変えて対処
今回は、私がカウンセラーから教わった、反芻思考(嫌な思い出が繰り返し頭に思い浮かぶこと)への対策をご紹介しようと思います。
うつ病になると「今まで思い出しもしなかったような昔の嫌なことや辛い出来事まで思い出されて、それが頭から離れない。」「考えても無駄だと頭ではわかっているのに何度も何度も思い出されてしまう。」そんな経験をしたことがある人もいるのでは無いでしょうか。
今回ご紹介する方法は、嫌な記憶を考えないようにするのではなく、性質を変えるという方法です。ぜひ反芻思考で悩んでいる人は是非試してみて下さい。
Contents
私がこの方法に出会った経緯
私はうつ症状が強くなると、昔の失敗や嫌だったこと、嫌いだった人を思いだして、モヤモヤしたりイライラしたり、気持ちが落ち込んだりします。もちろん、思い出しても過去は変えられないし、非生産的だと理解しています。
なので、すぐに考えるのをやめようとするのですが、気づいたら同じく嫌なことを考えています。
そしてまたイライラする・落ち込む→眠れなくなる→嫌なことを思い出す→イライラする。落ち込むを繰り返していました。
このことをカウンセラーに相談すると「反芻思考(嫌な思い出が繰り返し頭に思い浮かんだ時)は、考えないようにするのではなく、性質を変えましょう」と教えくださいました。
なぜ、考えないようにするのではなく、性質を変えると良いのか?
理由その1:性質を変えると反芻思考を減らせるから
人間は「何かを考えないように努力すればするほど、かえってそのことが頭から離れなくなる」という事が起こるそうです。これを皮肉過程理論と言います。詳しくはウィキペディアなどをご参照ください。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/皮肉過程理論)
この皮肉過程理論のせいで、嫌な事が思い浮かんだ時、考えない様にすると余計に考えてしまったり頭から離れなくなります。そして私のようにずっと考えてしまい落ち込むということになってしまうそうです。
なので、考える内容を変えようとせず、考える内容の性質を変えることでこの皮肉過程理論を回避します。その結果として反芻思考の回数が減ります。
理由2:性質を変えると過去と今の感情を区別できるから
反芻思考で浮かんできたネガティブな思い出をそのまま思い出すとそのときの負の感情(怒り、悲しみ、憎しみ等)までも同時に思い出されてしまいます。そうやって思い出された感情に今の感情も支配されてしまうとイライラしたり辛いと感じてしまいます。
そこで、思い出の性質を変えることで、過去の嫌な思い出を感情を含めてありのまま思い出さないようにして、今の感情が過去の感情に支配されるのを防ぐのです。
今の感情が過去の感情に支配されなければ、客観的に見ることができるようになります。そうなると、過去と同じレベルの感情が再現されることがなくなり、ストレスや精神へのダメージを軽減するのです。
具体的なやり方
方法その1:記憶を実況中継して記憶を客観視する
嫌な記憶が頭に浮かんできたら、それを自分の好きな声優さんや役者さんの声で実況中継したり、考える様にします。
そうすることで、自分の過去を「自分の身に起こったことではなく、他人の出来事」という風に性質を変えることができます。
解説者という第三者視点で捉えることにより、客観的に記憶を捉えることができます。
方法その2:記憶の光景を脳内で編集する
映像を動画編集するかの様に白黒にしたり、再生速度を速くしたり遅くしたりします。そうやって、過去の記憶の視覚的イメージを変換し、ありのまま思い出すということを防ぎます。
実際にやってみて感じた、良い点と悪い点などの感想
良い点
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- 一切お金がかからない
- 頭の中で全て完結するので容易に試す事ができる
- 凄く効果があるという感じではない。(しかし少し気が晴れるというか反芻思考が止まりやすくなる気がします)
- やればその時点で効果が出る気がする
悪い点と気になった点
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- やる習慣を身につけないと、すぐにやる事を忘れてしまうので、習慣化する事が課題
- ある程度以上のうつ症状がある場合はそこまで効かない気がする。薬と併用した方が良い気がする
- 効果が出ているかが実感しにくい(「効果あるかな?」って感じです。)
- 意外と集中力がいる
気になる点や今後検証したいポイント
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- 継続していく事で反芻思考を止めたり、繰り返し思い出す回数が減っていくのかは要観察
- 今後、嫌な経験をした時に、気持ちを切り替えるために使えるのか?は気になるところ
- 自分の中でやりやすい方法・パターンを発見していく
- 現在進行中のマイナスの思考(不安や緊張や怒り)に効果があるかは疑問
私には、声を変えてもどうもピンと来ず合いませんでした。それより映像化するのが、私には合っていました。私は映像でイメージして、それを白黒にしたりスローにしたりするのが今のところしっくりくる気がしています。
あと、できれば実況中継+動画編集が理想だと感じました。そんな器用ではない私にはそれができませんでしたが。そしてこれをゲーム感覚で取り入れていくのが良いとも感じました。「お、また嫌な記憶が浮かんできたな。今回は白黒にしてやる!!」という感じで楽しめると良さそうです。
この方法は結構集中力がいるので、家や電車の中などじっとしている時以外はやりにくいなーと感じました。個人的にはそこまて合っていない方法でしたが、嫌な記憶が思い出されたときの対策の引き出しが増えたのは良かったと思っています。
こんな人に向いているかも
- マインドフルネスは合わないという人
- 事務仕事などじっとしている時間が長い人
- 想像力があり頭の中で映像を編集する力がある人(様々な編集ができる人の方が飽きずにできると感じました。)
- ボキャブラリーが豊富で実況中継ができる人(スポーツなど実況をよく聞く人にも合うかもしれません)
気軽に試してみてください
今回ご紹介した方法はお金もかからない上に、別に大きなリスクはありません。(心配な方は医師に相談してから行うと良いでしょう)この方法で反芻思考の苦しみが少しでも緩和されれば儲けものくらいに思って試してください。
この記事が少しでも誰かの役に立てば幸いです。
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[…] 私が繰り返し頭の中で考えしまう過去の嫌な記憶の半分くらいは他人に関することです。この反芻思考を止める方法はないかと考え、以前に「嫌な記憶の反芻思考対策その1」という記事を書いたのですが、この記事を書いている最中に思いついたのが今回の記事の方法です。 […]