具体的な配慮を言えますか?後編 配慮事項の作り方

このシリーズもついに最終章です。しっかりとお伝えしたい内容であったので3部構成になってしまいました。
今回はついに本題である「具体的な配慮事項の作り方です。」もちろん前編・中編でお話した内容も重要なのでまとめて読んでいただければと思います。
Contents
段階3:配慮事項を考える
段階1と段階2は簡単ではありますが、中編でご紹介していますのでお手数ですがそちらを読んでください。
やっと本題です。前置きが長くなって申し訳ございません。
しかしそれだけ配慮事項を考えて伝えるというのは大変なことなのです。
ここでは配慮事項を考えるにあたってどのように考えるか?どんなことをヒントにするかをここではご紹介して行こうと思います。
どれか一つではなくすべてをバランス良く取り入れて行くのがオススメです。
方法その1:障害特性から考えて作る
一番王道の方法です。
自分の特性とその程度を理解して上で、自分の配慮を考えていきましょう。自己理解も深まりますし、障害特性の説明と一緒に考えることができます。そういう点でも良い方法です。
この方法のデメリットは
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- 時間がかかる。
- 根本的な配慮に偏らないようにする。
- この方法だけではまだ実際に職場でどのようなことに困るかわからない。(特に前職がない人や社会人経験が少ない人)
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この方法は客観的な意見をくれる人と一緒に行うほうがより効果を発揮するでしょう。
方法その2:過去の失敗から考える
王道の「障害特性から考える」より王道の可能性もあるのが、この過去の失敗から考える方法です。
そもそも障害特性自体も過去の失敗から気づくことが多いので、そういう意味ではこちらが大切かもしれません。
配慮事項の場合は過去の困った状況を思い出して、「当時、こんな配慮があったら良かったな」ということを書き出し共通点を探ってみましょう。
その上で障害特性特性と関わりがあるものを配慮にしましょう。(単に自分の努力不足や障害と関係がないものは配慮に求めるのは適切ではないためです。)
この方法のデメリットは
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- 過去の失敗を思い出すので精神的にしんどくなる可能性がある
- 過去の失敗の原因が努力不足であるか?障害特性か?を見極める必要性がある
- 就労経験が少ない人は困った経験や失敗のサンプルが少なく正確な配慮事項を導き出すのが難しい可能性がある
- 直接的な配慮に偏る傾向がある
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この方法は一番とっつきやすいのですし、社会人経験が多い人にはオススメの方法です。経験が少ない人は就労移行支援事業所での訓練や実習、リワークプログラムなどを通してそもそもの失敗から学ぶということを行うのも一つの手でしょう。
自分がしてほしい配慮から考える
障害特性を明確に把握していない人。仕事の経験がない又は少ない人。過去の共通点から配慮事項を考えるのが難しい人。そんな人はまず「職場でこういう配慮があったら働ける」「こんな配慮があったら良いな~」というものを書き出してみましょう。
具体的なやり方は以下の通りです。
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- 「職場でこういう配慮があったら働ける」「こんな配慮があったら良いな~」というものを書き出す
- 障害特性と関係がありそうなものとなさそうなものに分けます。
- 現実的に企業に配慮して貰えそうなものに分ける
- 「これがないとでどうしても働けない」というもの順で並び替える
- 上位のものを配慮事項にする。
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※2と3は順番が逆でも大きな問題はありません。
デメリットは
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- 自分の理想が前に出過ぎて現実的に企業が配慮できないであろう配慮事項が出来上がることがある。
- 障方法1と2に比べて害特性の理解を深めることはできない。
- なぜその配慮事項をしてほしいのか?という説明に答えられるようなエピーソードや障害特性の説明を別途考える必要がある。
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この方法は簡単ですが、案外的を射た配慮事項が出来上がることがあります。しかし現実離れした配慮事項になっていないかの確認がかなり重要になります。この方法は配慮事項が思いつかないときや自分の本音を確認する際に使うのが一番良いと思います。
段階4:配慮事項の検討と決定
段階3でご紹介した方法で配慮事項がある程度固まってもすぐに書類に書くのではなく、一度検討をしてましょう。
これを怠ると企業に良くない印象を与えてしまい採用までたどり着けなかったり、採用されても自分が伝えたいことが伝わっていないと、自分が働き始めても期待していた配慮が得られなかったりと色々と問題が生じます。
しっかりと検討をして自分が働きやすい配慮を企業側にしていただけるようにしましょう。
相手にちゃんと伝わるかどうかを検討
自分が書いた配慮事項を読み直して「この表現で伝わるか?」「具体性があるか?」を確認しましょう。
自分では伝わるように書いたつもりでも、相手からしたらわかりにくいということはよくあります。
ハローワークの専門窓口や友人、支援員など第三者に書類の添削をお願いしてみるのがおすすめです。その際に「この文章を読んで、あなたが私の上司なら配慮事項がどういったことかわかりますか?また実際にどんな配慮とどんな行動をしますか?」と聞いてみてください。ちゃんと書けていれば、あなたの意図に沿った行動を話してくれるでしょう。
配慮事項による企業側の負担を検討
段階3でご説明したデメリットを解消できます。しっかりとここで企業側の負担を考え、配慮事項を検討してみてください。
配慮事項は自分がしてもらいたいことを何でも書けば良いというものではありません。企業の人事は、企業にとって負担が少ない配慮の人を好みます。あまり大きな配慮を望むと書類選考の時点で落とされますし、仮に採用されても自分が望む配慮を受けられずに不満が出てしまうでしょう。
そのためにも自分の工夫や努力で対処できるところはできるだけして、それでも無理なことだけ配慮をお願いするようにしましょう。
そのうえで、配慮事項を第三者に見てもらい、現実問題として自分が書いた配慮事項は企業が配慮可能な範囲か確認してもらいましょう。ハローワークの職員の場合などは企業の情報や内情から配慮事項が現実的なものか判断してくれるでしょう。
応募する企業環境や職種と配慮事項のマッチングを検討
同じ配慮事項でも企業の大きさや職種によって、企業側が配慮できる範囲は違ってきます。
特例子会社や障害者雇用にかなり理解がある企業と。初めて障害者雇用をする企業や小さな企業などではやはり配慮に差があるように感じます。またどんなに配慮をしたくても職種の関係上それが難しいものもあります。
例えば「人の名前を覚えることができないのでネームプレートをつけてください」という配慮をお願いしても客先に出向くことが多い場合は配慮を受けることが難しいでしょう。企業としてもお客さんにまで配慮をお願いするわけにも行かないからです。しかし小さな部署の事務職で関わる人が少ない場合はこの配慮は比較的容易かもしれません。
このように応募する企業環境や職種によって受けられる配慮は変わってきます。応募する前にこの点を考え自身の配慮が受けられる可能性が低い求人は避けるのも大切でしょう。
自分の配慮事項と、企業環境や職種がマッチしているかは応募前にしっかりと検討してみてください。
配慮事項をわかりやすく伝えることは、良い職場を獲得すること
障害特性の把握から配慮事項を作るまでは非常に大変ですが、自分のことを知っているということは生きていく上で非常に重要なことです。
自分のことを理解し、配慮を明確に伝えることは、配慮を受ける側が最低限しないといけないことであり、自分にとって良い環境を得るために大切だと思います。
しかし決して一人でする必要はありません。支援者に頼っても構いません(むしろ頼るべきです)。
最終的に自分が困り感を抱え傷つくようなことがなく、自分らしく働きやすい作っていければそれで良いと思います。
これからお仕事を探していくという方はぜひ、自分の将来の職場が自分にとって働きやすい職場になるようにしっかりと配慮事項を考えてください。
この記事が少しでも誰かの役に立てば幸いです。